第2回(2017年)審査結果&講評

コンクールでしか伸びないもの。フラメンコは人と競うものではないから、今いる場所から自分で一つ一つ進んでいくために、このコンクールを利用してほしい。終演後フアンが言ったように、ここで踊ったということ自体がそれぞれの賞でありますように。。。

 

優勝      2番 SHI YIQI

Juan Polvillo賞      2番 SHI YIQI  

漆畑志乃ぶ賞        4番 高嶋裕美 

知念響賞                2番 SHI YIQI 

石川慶子賞            4番 高嶋裕美

観客賞                    2番 SHI YIQI

≪漆畑志乃ぶ講評≫

1 上西亜希子

立ち姿が美しく、グァヒーラの雰囲気はとても出ていました。 体も大きく使えていて、上体・ブラッソ・アバニコ使いも美しかったです。ただ緊張のせいか足音が乱れてしまい、特に後半細かいパソが続くとバタバタして終盤はスタミナ切れの印象がありました。自分の得意な部分を生かし、最後まで自信を持って踊り切れるよう構成を工夫するとよいと思います。

2 Shi Yiqi
出だしから強烈な目力で引き付けられました。 やりたいことが明確で、バックをしっかりと引っ張っていく力がありました。テクニックもしっかりとしていました。 ただ、ティエントという曲種から考えると少し強すぎる表現のように思う部分もありました。 全体に完成度は非常に高かったです。
3 平光賀世
マントンは美しかったのですが、マントンだけを踊らせてしまいマントンと一緒に踊っているように見えなかったのが残念です。上半身を反り過ぎの姿勢が気になりましたが、特にファルダを持って腰に置いた時の肘の位置と姿勢が 気になりました。また、決めの所で目線が泳いでしまうのが残念でした。
全体的にメリハリが少なく単調な印象になってしまいましたので、曲全体を通しての強弱を考えてみるといいと思います。

4 高嶋裕美

ソレアらしいペソがあり好きでした。せっかくゆったりした重さのある動きができる方なので、歌振りは動き過ぎず もう少しじっくり踊られてもよいと思います。エスコビージャの部分になると音色・アクセント等不安定な部分があり、歌振りの部分との完成度の差が残念でした。また、レマーテ等の決めの部分が少し弱かったので、もう少し強く締められると一層メリハリが出て良くなると思います。

5 川村正志

方向性はとても好きです。やりたいことは伝わってきますが、テクニックが追い付いていないのが残念です。 決まるところがビシッと決まってこそ遊びの部分が生きてくると思います。また、男性らしい立ち姿も研究された方がいいと思います。姿勢が良くないとはじめから自信がなさそうに見えてしまいます。後半はかなりノリも良くなり楽しかったです。 こういう個性を持った方は貴重なので是非このまま進んで欲しいです。

6 石黒裕子

アレグリアスらしい雰囲気が足りなかったのが残念です。 まずどういうアレグリアスを踊りたいのかイメージをはっきり持ってみるといいと思います。

テクニック面では上体・ブラッソ・マノが上手く使えていなかったので、伝わって来るものが弱く単調に見えてしまいました。足音はしっかり鳴っていたので、上体の使い方を研究するとかなり変わると思います。終演後の打ち上げではとてもかわいらしい雰囲気の方だったので、もっと自信を持って自分を
表現できれば魅力的なアレグリアスを踊れると思います。

 

≪知念響講評≫

1 上西亜希子
良い点/どこをとってもバランスのとれた形造りができていた
改善できる点不安そうに踊る表情がとても気になったメンタル面を強化していくと更に魅せられる踊り手になると思います

2 Shi Yiqi

良い点力強さ 足の正確さ踊りに意志が明確に見える
改善できる点上体を落とした時の安定感の強化動きがない時の強さ、粘りを強化すると更によくなる

3 平光賀世
良い点/マントンさばきが綺麗
改善できる点/打つ時の上下の浮き沈みをなくし、上体にもっと工夫をllamada、remateのしめを身体全体で表現できると更に良くなると思います
4 高嶋裕美
良い点/表情がとても良かった
 改善できる点
与えられた場所をもっと大きく使うとより効果的。Pie強化が必要。特にescobilla始まり。アセントを意識する練習を入れ、強化していくと更によくなると思います
5 川村正志
良い点/観る人を楽しませる力があること
改善できる点足を打つ時の上下の浮き沈みをなくす練習強化が必要手を正確にまわすように意識すると更に良いどこかに男性としての力強さが欲しかった。
6 石黒裕子
良い点表情がとても綺麗Subidaの足を打つ力加減がとても綺麗な音を出していた
改善できる点シレンシオではもっと大きく体を使えるように上体のしなやかさを強化すれば更に良くなると思います。

 

≪石川慶子講評≫

1 上西亜希子

笑顔がとても良い。アバニコ使いも凝っていて飽きさせない。舞台を大きく使えている。トップバッターの緊張のせいか、重心が上がり、体のふらつきや足のミスが目立った。グアヒーラのゆったりした気怠い感じと、後半の疾走感というような全体の起伏に意識が向くとよい。

2 Shi Yiqi(優勝に推薦)

身体のキレと力強い瞳が印象的。強烈な個性があり、始まって数秒で優勝するだろうと思った。リハーサル時にバック陣に的確な指示が出ていると思われるコンビネーションが全体の流れにストーリー性を生む。ムイフラメンカ。

今後の課題点は、溜めや抜きを作ること、構成の流れを整えること、舞台を大きく使うこと、衣装を選ぶこと。しかしそれも日本で踊るなら。もしスペインでならこのまま突き進んでほしい。

3 平光賀世
静謐な美しさがある。普段の姿よりずっと落ち着いて丁寧に踊っていく姿を見て、舞台人の素養があると感じた。お化粧も、一目でChacottさんのメイクと分かり、好感を持った。今はまだ習ったことを間違いなく丁寧に、という段階。これまでの歩みは正しく美しいので、今後はレマーテをしっかりしめることで全体の起伏を作ったり、身体的な強化を図って、この素晴らしい芸術にどんどん進んでいってください。

4 高嶋裕美

情感があり表現力豊か。前半のソレアでは硬さがあったが、後半ブレリアになってからの弾け方がとてもよかった。ただそうなると、全体の印象がちぐはぐになってしまう。身体の中から出てくる本能的な飢え、ソレアらしさをもっと追及してほしい。また、上体やブラソの技術はとてもいいので、足元を強化していくことで自分のペソを探してほしい。

5 川村正志

独特の愛嬌があって、唯一無二のアレグリアスだった。飄々とした立ち姿が、ともすると浮ついて見える時が残念。重りをつける意味でもアクセントを強くしていくとよい。他の曲ではこの個性があだになるか。しかしこの雰囲気は誰にでも出せるものではないので、その生かし方を絞っていくといいと思う。

6 石黒裕子

素直なかわいらしさでアレグリアスを踊りきった。舞台が大きく使えていて良かった。ただ、salida中に袖から姿が見えていたり、ジャマーダやレマーテが機能せず、流れの起伏がないなど、まだまだ勉強できる余地がたくさん。このコンクール直後にスペインへ留学されるそうなので、帰国後を楽しみにしています!


第2回名古屋未来のフラメンココンクール募集要項

 ◆日時:2017.2.11(土)

 ◆会場:布池文化センター

〒461-0004 名古屋市東区葵1-12-23

※駐車場はありません。公共交通機関でお越しいただくかお近くのコインパーキングにお願いします。

 

レッスンで伸びる、発表会で伸びる、そしてコンクールでしか伸びないものもある。新人公演やマルワは無理だけど、何か目標を持って頑張りたい方。特に、ソロで踊りたい方が対象。

ESTUDIO KEIKOの生徒でなくても参加可能!

 

審査基準:各審査員に一任。技術、フラメンコ性、表現力など、審査員がいいと思った人を独断と偏見で選びます。選ばれなかった人にも、全員に審査員の先生から講評が届きます。ぜひ今後の参考にしてください。

 審査員:Juan Polvillo、漆畑志乃ぶ、知念響、石川慶子、観客の皆様

 

賞:

優勝:2017年10月に行われる第三回生徒公演にてソロ出演+石川慶子個人レッスン3時間無料

Juan Polvillo賞:クルシージョ無料受講 

漆畑志乃ぶ賞:手作りエプロン&ピキージョ

知念響賞:2017年9月に行われる知念響フラメンコ教室発表会にてゲスト出演

石川慶子賞 :個人レッスン2時間無料+オープンクラス2時間無料

 観客賞:審査員セレクトフラメンコグッズ

参加費 ¥7,000+チケット5枚

 

自由曲1曲(7分以内)。CD、テープ等による参加は認められません。